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日常にひそむハンカチをめぐるストーリー。素材・成り立ち・遊び方まで。
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ポケットチーフは映画のシーンでは当たり前のようにでてくるのであまり紹介はしませんが、印象的なシーンがあったのでご紹介。
映画はアルフレッド・ヒッチコックの名作サスペンス「裏窓」 1954年作品、ジェームズ・スチュアート、グレース・ケリー出演。 カメラマンのJ・スチュワートは足を骨折し、ニューヨークのアパートで療養中。身動きの取れない彼にとって退屈しのぎの楽しみは、窓から見える中庭と向いのアパートの住人たちを眺める事。だが、その中でセールスマンの夫と激しい口論をしていた病床の妻の姿が見えなくなった事に気づく。セールスマンの様子から、男が女房を殺したのではないかと推測、恋人の役のG・ケリーの協力を得て調査を始めるのだが……。 J・スチュアートが調査を依頼した知人の探偵がブランデーを飲み干そうとして胸元にこぼすシーン。 彼は胸の白いポケットチーフでブランデーをさっとふき、また胸に戻し部屋を出て行く。 現代の英国でも、ポケットチーフを使って洟をかみ、それをまた胸ポケットに戻すことがジェントルマンのあるべき姿とされているとのことです。 イギリス出身のヒッチコックは、そうした背景もよく知っていたのでしょう。 H TOKYOでは実際にハンカチの役割も果たす綿や麻のポケットチーフもご紹介しています。 映画ではご近所さんの日常をのぞき見するのですが、ベランダに布団を敷いて寝る夫婦は素敵です。犬のお散歩はそのベランダから紐でかごをおろしてアパートの庭を散歩させ・・・ またG・ケリーの美しさ、華麗な洋服もさることながら、けが人のため劇中ずっと寝巻き姿のJ・スチュアートのパジャマコレクションも見逃せません。大き目の襟が優雅に肩まで広がって、かっこよいです。 今回はドレスコードに関わるポケットチーフの在り方の紹介。
19世紀から20世紀にかけ英国でドレスコードが完成していきます。 モーニングコート着用(昼間)の第一礼装のときは白い絹製、テイルコート着用(夜間)の第一礼装のときは白い麻製のポケットチーフが相応しいそうです。 またビジネスシーンでのドレスコードはイタリアでは、白い麻製は昼間、夜は絹製のプリントのもの。絹製のプリントのものは昼でも相応しいとのことです。 胸元にちょっと気を配るだけでイメージが大きく変わります。 ネクタイの用に何枚かまとめて揃えてコーディネイトをお楽しみ下さい。 H TOKYOでもシルクのプリントものを中心にポケットチーフをご紹介していますので、ご覧下さい。 参考文献 「スーツの法則」中島渉 小学館 この本は服飾史のおさらいだけでなく、「アナン国連事務総長のポケットチーフはなぜ消えた?」など、有名人の服装から発せられる意味を読み解いていて読み応えのあるおもしろい本です。 ポケットチーフの起源は、ハンカチと元は一緒と考えられるようです。
以前ハンカチのルーツで紹介しましたが、ローマ帝政時代に競技のはじまりを告げるために振られたり、顔を拭うためにつかわれており、ハンカチは儀礼的な意味合いや日常の用途としてのふたつの側面をもっていました。 装飾的に使われるようになったのは、中国で日除けとして使われていた麻布を、15世紀にフランスの船員が故郷に持ち帰り、エポレット(肩飾り)や左袖上に挿しこまれ、アクセサリーとして使われるようになったようです。 そのチーフが胸ポケットに挿されるようになったのは、実は1920年代。胸ポケットがジャケットに定着したころだそうです。今ではスーツやジャケットに当たり前に胸ポケットがついておりますが、その歴史は結構浅いのですね。 ちなみにその胸ポケットの登場自体も19世紀半ば、英国で生まれたチェスターフィールドコートから。そのコートに挿すのはポケットチーフではなくグローブ(手袋)に限られていたそうです。 なるほど何故か雑誌や町でアウターの胸ポケットに手袋をいれているのをみるのはそういう意味があったのですね。 ファッションの歴史をひもとくとおもしろいですね。 参考文献 「男の変身術」落合正勝 PHP研究所 「スーツの法則」中島渉 小学館 |
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